マンションの売買契約当日の流れを紹介

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スーツの男性と握手をする男性

売却するマンションの買主が見つかったら、売買契約を結びます。

売買契約当日を迎えるにあたり、売買契約書の作成など、おおよその重要な手続きは不動産会社が行ってくれます。ですが、何もしなくてよいというわけではありません。

マンションの売買契約当日までに用意しないといけないものがありますし、前もって売買契約当日の流れなども把握しておけば、当日の手続きはスムーズに進みます。

この記事では「売買契約当日にどんな手順で進むのか」「何が必要なのか」といったことをご紹介します。

売買契約当日のおおまかな流れ

売買契約当日は、マンションの売主と買主、そして双方が依頼した不動産会社の担当者たちが集まります。

集合場所は、基本的にマンションの売主側の不動産会社が一般的ですが、話し合いで集合場所を決める場合もあります。

売買契約当日における主な手続き内容は以下のとおりです。

CHECK!
  • 重要事項の説明
  • 付帯設備および物件状況等報告書の説明
  • 売買契約書の締結
  • 手付金の受領
  • 仲介手数料の支払い

手続きをすべて終えるまでの時間は、2時間程度を要するのが一般的です。

これら手続きをスムーズに進めるには、持参すべき物や契約書の内容の把握、そして当日の流れについて事前に理解を深めておくことが重要です。

その際に疑問などが生まれたら、売買契約当日より前に不動産会社に問い合わせたり、協議したりして解決しておき、万全の状態で売買契約日当日を迎えましょう。

重要事項の説明

住宅の設計図と不動産重要書類

売買契約を締結する前に、売主側の不動産会社が「重要事項説明書」を示して、買主に説明します。

重要事項の説明は宅地建物取引士が担当しなければならないことは、宅地建物取引業法35条によって決められています。宅地建物取引士が重要事項説明書に記名押印し、その書面を交付したら、口頭で説明していきます。

なお、重要事項の説明は不動産会社から買主に対して行うので、売主が立ち会う義務はありません。しかし、買主との認識を擦り合わせるためにも、立ち会っておいた方が無難です。

また、内容によっては買主が購入を見送る可能性もあるため、売買契約当日より前に内容をきちんとチェックしておきましょう。

重要事項説明書に記載されている主な内容は、対象物件に関する事項取引条件に関する事項の2つです。

重要事項の説明で確認すべきポイントを、詳しく見ていきましょう。

重要事項の説明で確認すべきポイント

重要事項の説明は、主に以下の項目について話します。

説明前の基本的な確認

重要事項の説明をする宅地建物取引士の紹介などを指します。

物件の基本的な確認

売買するマンションの所在地などが合っているか、抵当権などの権利関係が整理されているか、といった確認を行います。

法令上の制限

都市計画法や建築基準法などで、土地や建物の利用に制限がないかを確認します。

インフラ整備

飲用水・電気・ガスなどインフラの整備状況の確認を受けます。整備されていても、別途費用が発生する状況なのかどうか、といったことも確認します。

また、もしマンションが私道に接していたとき、私道は物件に含まれるのか、特別な負担がないか、といった説明も行われます。

その他物件に関する内容

ほかに、地域に関する制限があるか、建物の作りに関する情報の確認などが説明されます。

マンションの特別ルール

マンションの専用部分や共用部分、専用使用権といった権利関係、管理や修繕のルールがどうなっているかの確認です。

契約条件

契約の解除や違約金といった契約内容が適切かどうか、確認が行われます。

その他

金銭の賃借のあっせん(不動産会社が買主に住宅ローンをあっせんするとき、融資条件のほか、融資を受けられなかったときにどうするかといった内容)などの説明があります。

付帯設備および物件状況等報告書の説明

厚い本を手に人差し指を立てて解説をするスーツの男性

中古マンションの売却時は、マンションの瑕疵(かし)、いわゆる欠陥や不具合の有無が買主・売主の間で問題になりがちなので、マンションに付属する設備(付帯設備)や物件状況に関する説明も行われます。

これら事項は、不動産会社だけではすべてを把握できないため、売主が一緒になって「物件状況等報告書」「付帯設備表」という告知書を作成して、買主に提出します。

告知書に記載する主な内容について見ていきましょう。

告知書に記載する内容

告知書に記載する内容は、土地関係建物関係その他の大きく3つに分類されます。

土地関係

土地関係では、土地の境目(境界)が確定しているか、土壌汚染・地盤沈下などの調査状況、土地の瑕疵の存在や可能性の有無、過去の所有者と利用状況などを記載します。

建物関係

建物関係では、増改築や修繕の履歴、石綿使用の有無や調査の存否、住宅性能評価などの状況、耐震診断の有無、建物の瑕疵の存否、可能性の有無などをチェックします。

その他

その他にも、これまでの所有者から引き継いだ資料や、屋内式ガス瞬間湯沸器、浴室用電気乾燥機、ビルトイン式電気食器洗機などの有無や不具合があれば、その状況も記載します。

マンションを引き渡した後に、告知書などで説明しなかった瑕疵が見つかると、売主が補修・改修するか、その費用を負担するなどしなければいけません。

場合によっては損害賠償なども発生することもあるので、瑕疵の洗い出しは念入りに行いましょう。

売買契約書の締結

空を背景に握手を交わす手

売買契約書の締結は、売主と買主の双方が行います。売買契約書の内容に間違いがないかを、お互いが確認します。チェックしておくべきポイントは、以下の6つです。

CHECK!
  • 物件情報
  • 売買代金の額や物件の引き渡しの時期
  • 手付金の額と性質
  • 公租公課などの精算方法
  • 瑕疵担保責任の期間
  • 付帯設備一覧表

売買契約書は売主側の不動産会社が作成しており、内容に関してはある程度信用はできますが、人の手で作られているので間違いがないとも言い切れません。

数値や固有名詞の間違いなどがないか、見直しておきましょう。

売買契約書を締結する際に売主が持参するもの

売買契約書の締結時、売主が必要なものは、以下のとおりです。

CHECK!
  • 実印
  • 印鑑証明書(3か月以内に発行したもの)
  • 印紙代
  • 身分証明書
  • 登記済証(登記情報識別通知書)
  • 建築確認済証・検査済証
  • 固定資産税納税通知書

実印

売買契約書の内容を確認した後は、署名と捺印を行います。捺印は実印でなくてもいいものの、後ほど実印が必要になるため、最初から実印を用意しておいてよいでしょう。

印鑑証明書

実印であることを証明するには、売買契約当日より3か月以内に発行した印鑑証明書が必要です。印鑑証明書を発行するには、自治体で実印の印鑑登録を済ませていることが条件です。

印紙代

売買契約書には印紙が必要で、印紙代は売買代金で決まります。2022年3月31日までであれば軽減措置を受けられるため、本来よりも安く購入できます。

軽減措置後の印紙代は、売買代金が1000万円超え5000万円以下なら1万円、5000万円超え1億円以下だと3万円です。

通常は契約書を2通作るので、売主と買主で1通分ずつ負担します。

身分証明書

運転免許証や健康保険証などの公的機関が発行した身分証明書は、本人確認の際に必要になります。マンションの名義が共有名義なら、全員分の身分証明書が必要です。

建築確認済証・検査済証

建築確認済証とは、建築確認申請書の内容が建築基準法に則っているかを証明する書面です。

検査済証は、建築が終わった後、建築確認申請書の内容と建築基準法に沿って建築されたことを検査したと証明する書面です。

登記済証(登記情報識別通知書)

登記済証(登記情報識別通知書)とは、物件が自分の所有物であることを証明する書類です。マンションの住宅ローンを完済すると、金融機関から送られてきます。

固定資産税納税通知書

固定資産税や都市計画税は、1月1日時点でマンションを所有している人に課税されます。

所有権が移る日を元にして負担を分けるのが一般的なので、固定資産税や都市計画税がいくらなのか共有するためにも、固定資産税納税通知書も準備しておきましょう。

上記以外にも、マンションの管理規約などが必要になるかもしれません。売買契約当日までに、何が必要なのか不動産会社に確認しておきましょう。

手付金の受領

売買契約書を締結した後は、買主が売主に手付金を支払います。

手付金の額に決まりはありませんが「少額すぎると購入の意思がないのではないか?」と勘繰られる可能性もあるので、100万円や売買代金の10%など切りのいい額で決めることもあります。

なお、一般的に手付金は売買代金の一部に充当されます。

仲介手数料の支払い

すべての手続きが終わった後は、マンション売買を仲介した不動産会社に仲介手数料を支払います。

支払い方法はケースバイケースで、売買契約当日に仲介手数料の半金程度を支払って、残りをマンション引き渡し時に支払う場合や、引き渡し時に全額支払うこともあります。

不動産会社が売主に対して請求する仲介手数料は、自由に設定できるわけではなく、売買代金に応じて上限が決められています。仲介手数料の上限は、以下の通りです(下限はありません)。

 200万円以下:売買代金の5%

 200万円から400万円まで:売買代金の4%+2万円

 400万円以上:売買代金の3%+6万円

たとえば、4000万円でマンションを売却した場合には、126万円に消費税が加算され、136万800円が仲介手数料の上限です。売買契約当日には、その半分である68万400円を支払うことになります。

しかし、これはあくまでも仲介料の上限なので、事前に仲介手数料がいくらなのか、確認しておきましょう。

まとめ

マンションの売買契約当日は、重要事項の説明のほか、付帯設備および物件状況等報告書の説明、売買契約書の締結、手付金の受領、仲介手数料の支払など、さまざまな手続きを行うため、時間がかかります。

また、身分証明書、実印、印鑑証明書から、印紙代、固定資産税納税通知書なども必要になります。

「前もって書類に目を通す」「疑問点を解消しておく」「持参物を用意しておく」といった準備を念入りに行い、売買契約当日は心に余裕を持って臨みましょう。

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