ちゃんと記載した?マンション売却の付帯設備表と物件状況等報告書とは

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5つの項目にチェックを入れる手

たいていの中古マンションは、設備や建物などに欠陥や不具合(これを瑕疵[かし]と言います)を抱えています。

売買契約書に付随する「付帯設備表」「物件状況等報告書」には、マンションの設備に不具合があるか、どんな瑕疵があるのかを明記する必要があり、漏れがあると後々トラブルの原因となるかもしれません。

今回は「付帯設備表」と「物件状況等報告書」の詳細や、注意点について説明します。

中古マンションの売却はトラブルが生じやすい

電卓・時計を持った女性とクリップボード・スマホを持った男性に迫られる女性

中古マンションを売るとき、とくに注意すべきなのが「隠れた瑕疵(かし)」です。
瑕疵とは、キレイな珠(たま)にできたキズを語源に持つ言葉で、欠陥や不具合を意味します。

そして、「隠れた瑕疵」とは買主がマンションを引き渡されてから初めて気付いた瑕疵のこと。
隠れた瑕疵が発覚すると、売主側の負担で該当の瑕疵を補修する義務が発生します。

具体的に、隠れた瑕疵とは何を指すのかを説明します。

隠れた瑕疵の詳細

隠れた瑕疵で特に注意したい点は、以下の5つです。

CHECK!
  • 土地の瑕疵
  • 給排水管の故障
  • 建物構造上主要な部位の木部の腐食
  • 雨漏り
  • 白アリの害

上記は「物理的瑕疵」という種類の隠れた瑕疵に当たります。ほかにも、「心理的瑕疵」(過去に事件・事故・自殺などが起きていた)、「環境的瑕疵」(暴力団事務所・組員の居住、近隣の騒音、振動、異臭などがある)、「法律的瑕疵」(抵当権のように買主の権利が法律によって阻害されている)も、隠れた瑕疵として扱われます。

瑕疵担保責任で損害賠償に発展するケースも

隠れた瑕疵が修繕可能なら売主が修繕を負担し、修繕できないレベルなら売買契約を解除できるといったように、「瑕疵担保責任」という規定で買主は保護されています。

不動産適正取引推進機構(RETIO)の「RETIO判例検索システム」に掲載されている売買に関する紛争を見てみると、中古マンション売買のトラブルも確認できます。

例として、平成24年11月7日に東京地方裁判所で判決があった事例を見てみましょう。中古マンションの買主が専有部分内の電気温水器からの水漏れに関して、売主が説明義務、媒介業者(仲介した不動産会社)は調査・説明義務を怠ったとして、債務不履行による損害賠償を求めた、という事例です。

この事例では、損害額は407万円と算定されました。売主が前もって媒介業者に水漏れの説明をしていたため、責任は媒介業者に限定されました。しかし、媒介業者に説明していなかったとしたら、損害額の一部を売主が負担することになった可能性があります。

(参考:不動産適正取引推進機構「電気温水器からの水漏れに起因する建物被害に関する売主の説明義務違反及び媒介業者の調査・説明義務違反が認められた事例」http://www.retio.or.jp/case_search/pdf/retio/90-134.pdf

瑕疵を買主に知らせる方法

手帳を記入する手

売却するマンションに瑕疵があるかどうかは、売買契約の際に告知します。

具体的には、口頭の説明だけでなく、瑕疵の内容を記載した「付帯設備表」「物件状況等報告書」という2種の書類を買主に渡すことで告知します。

この告知を済ませることで、記載された瑕疵は買主が知ることになり、修繕義務を追求されません。

では、それぞれの書類の内容について詳しく見ていきましょう。

付帯設備表とは

付帯設備表とは、マンションにどんな設備が備わっているかを記載する書類です。また、備わっている設備の状態についても記載します。

中古マンションの売買では、買主が内覧でマンションの様子を見て回ることができます。

内覧の際は、売主がマンションに住んでいるケースが多く、家具が置いてあると、買主は家具も売買契約に含まれていると勘違いしてしまうこともあり得ます。

そうなると、売買契約が終わってマンションの引き渡しを受けたとき、「家具がなくなっている」と言われてしまう可能性があります。

そこで付帯設備表には、売主がどのような設備を残すのか、残す設備に不具合があるかどうかを明記します。

付帯設備表に故障や不具合を記載していなかったら、使用可能な状態で引き渡す義務があります。

買主と売主の間で交わす売買契約書の内容次第ではありますが、一般的には引き渡し完了日から7日以内に請求を受けたら、修繕義務を負うことになります。

付帯設備表の項目

付帯設備表の項目は、大きく以下の5つの項目に分類されます。

  • 設備の名称
  • 設備の内容・機能
  • 設備の有無
  • 故障・不具合
  • 故障・不具合の具体的な内容

具体的な状態確認の対象となる項目は、以下の通りです。

住宅設備機器
  • 給湯器、湯沸かし器(ガス、電気、灯油、太陽光)
  • 浴槽
  • オーブン(ガス、電気)
  • 蓄熱暖房機
  • 浴室乾燥機
  • キッチンシンク
  • 換気扇
  • 食器洗浄機(乾燥機能)
  • シャワー
  • トイレ(暖房便座、洗浄機能)
  • 洗面台
電気関係
  • 照明器具
  • 冷暖房器具
  • TVアンテナ
  • インターホン
  • 外灯
その他
  • シューズボックス
  • 収納戸棚
  • 床下収納
  • カーテンレール
  • カーテン、ブラインド、アコーディオンカーテン
  • 網戸
  • シャッター、雨戸
  • 畳、ふすま、障子
  • カーペット(敷き込み)

付帯設備表の形式は、マンション売却の仲介を依頼した不動産会社ごとに異なります。

記載方法が分からない場合やどこまで記載していいか分からない場合は、不動産会社に確認しておきましょう。

物件状況等報告書とは

付帯設備表はマンションの部屋に備わっている各設備の状況を記載しているのに対して、物件状況等報告書はマンションそのものの状況について記載します。

売却予定のマンションが、物理的瑕疵や心理的瑕疵、環境的瑕疵、法律的瑕疵を抱えているなら、売主が買主にあらかじめ説明する義務があります。

物件状況等報告書の項目

物件状況等報告書で具体的な状態確認の対象となる項目は、以下のとおりです。

すべての物件に共通する告知事項
  • 土地・建物に関する被害、不具合、障害となる事柄
  • 過去の補修や修繕の履歴
  • 周辺環境に関する内容(騒音、振動、臭気、嫌悪施設の有無)
  • 土壌汚染の可能性
  • 近隣の建築計画
  • 電波障害の有無
  • 近隣との申し合わせ事項(約束事)
  • その他(事件・事故・火災等)
土地建物・土地に関する告知事項
  • 土地境界に関する内容
  • 白アリ・雨漏りの履歴
  • アスベスト使用の有無または調査の履歴
  • 増改築の有無
  • 配管に関する内容
  • 耐震診断の履歴
  • 地盤沈下、軟弱地盤に関する内容
  • 物件内の残存物の有無
マンションに関する告知事項
  • 管理費・修繕積立金等の変更予定
  • 大規模修繕工事の予定
  • 給排水管の故障
  • 漏水の履歴

物件状況等報告書も付帯設備表と同様、不動産会社によって記載形式が異なるので、不明点は不動産会社へ問い合わせましょう。

不動産会社に一任しないことが重要

売買契約では、売買に関する細かな内容について確認する重要事項説明、付帯設備表と物件状況等報告書の内容を確認して、売買契約書を交わします。

付帯設備表と物件状況等報告書に瑕疵の内容が記載されていて、しっかりと説明したら、買主に対する告知義務を果たしています。

買主がマンションに瑕疵がある状況を承諾したうえで売買契約を交わしたことになるので、売主は修繕の義務を負うことはありません。

そのため、付帯設備表と物件状況等報告書は漏れなく正確に書くことが求められますが、不動産会社によっては、売買契約当日にその場で記入を求めるケースもあります。

売買契約当日だと焦って記入漏れが生じやすくなるため、売買契約前に書類をもらっておき、じっくりと時間をかけて漏れがないか確認しながら記載しましょう。

仲介を依頼した不動産会社が、売買契約書の作成と付帯設備表と物件状況等報告書を作成してくれることもあります。

しかし、売主でないと把握できない情報も多く、契約後に記入漏れが原因で売主の責任を問われる可能性があります。

不動産会社には一任せずに、買主に対して売主の責任で正しい情報提供を行うなど、必要な対応を取るように心がけましょう。

まとめ

中古マンションの売買時は、買主・売主の間で交わした約束事を売買契約書にまとめ、契約を締結します。

その際はマンションの瑕疵の有無について付帯設備表と物件状況報告書に明記しておけば、買主への報告義務を果たせ、売主は瑕疵担保責任の負担を軽減できます。

面倒に感じるかもしれませんが、マンションを売却した後のことも考えて、抜けや漏れのないよう、丁寧に付帯設備表と物件状況報告書を作りましょう。

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