マンションを売るべき時期・タイミングはある?

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カレンダーを下敷きに並べられた住宅の模型と電卓

中古マンションは売れやすい、売れにくい傾向にある時期が存在します。

また、近い将来、中古マンションが売れづらい要素が増えていき、売主としては不利な状況になるかもしれません。

ここでは、中古マンション売買に影響するであろう、さまざまな要素について説明します。

中古マンションの成約件数から考察する

中古マンションの売買に関する動向は、数多くの不動産会社同士が抱える物件情報を登録・共有する「レインズ(REINS)」というデータベースをもとに公表されています。

ここでは、公益財団法人東日本不動産流通機構(通称、東日本レインズ)が発表している「月例マーケットウォッチ」を使い、例として月例マーケットウォッチの2019年5月度のサマリーを見てみます。

首都圏における中古マンション成約件数に注目すると、2~3月は成約件数が増えています。

2~3月の成約件数が多い理由は、4月の新年度開始に合わせた転勤や進級・進学などの新生活に備えたい、という需要の表れだと見て取れます。新生活の準備がひと段落した5月は、前月と比べて成約件数が落ち込みます。

また、8月は1年で最も前月比の下落率が高く、成約件数そのものも最低です。

中古マンションの成約件数だけを見た限りでは、1月・5月・8月は成約件数が落ち込みがちなので避け、2~3月の需要が高い時期に売却した方がよいと言えます。

成約件数が安定している理由

2~3月の成約件数が多く、1月・5月・8月は低い傾向にありますが、年間を通すと安定しているように見えます。これは、当然といえば当然ですが、買主ごとの事情、ライフイベントの起こる時期が人それぞれだから、と言えそうです。

結婚や出産をきっかけにマンションを購入する人も多いでしょうし、子供が独立して大きな住居が必要ではなくなったなど、居住者の減少に合わせる人、リタイアに合わせる人などのように、マンションを購入する理由はさまざまです。

「人によってマンションを購入する理由・事情が異なるのに購入時期は皆一緒」とはならないでしょうから、1年を通して成約件数が比較的安定していると考えられます。

中古マンションの在庫数から考察する

続いて、月例マーケットウォッチの2019年5月度のサマリーにおいて、中古マンションの在庫件数を見てみます。2018年7月~2019年1月にかけて在庫件数は増えたものの、それ以降は減少しています。

ですが、下がったと言っても2019年5月で4万6951件もの在庫があります。5年前の2014年5月度のサマリー内の、2014年5月における在庫件数が3万3842件なので、5年で約1万3000件も増えていることになります。つまり、時期に関係なく在庫件数は年々増えている傾向にあると言えます。

中古マンションの在庫件数が年々増加しているにも関わらず、新築マンションが次々着工されていることを考えると、買主の選択肢は今後も増え続けることになります。潜在的に中古マンションの価格は下落することも考えられるので、なるべく早めに売却に動き出したいところです。

中古マンションの築年数から考察する

東日本レインズの「築年数から見た首都圏の不動産流通市場」を参照し、首都圏における「中古マンション成約状況」の2018年データから、築年帯別の平米単価を見てみましょう。

一般的に古い住宅ほど単価が安くなるイメージを抱くかと思いますが、そのことがデータにも現れています。築6~10年の平米単価は約68万円なのに対して、築26~30年になると約30万円と半値以下になってしまうのです。

築年数帯(5年刻み)ごとに平米単価は10万円ほど落ち込んでいき、築21~25年の平米単価は約38万7000円まで落ちます。

同じ資料に載っている「対新規登録成約率」のデータによると、築16~20年の成約率は23.3%ですが、築21~25年になると17.3%と落ち込みます。

これらのことも考えると、築20年に近いマンションを所有しているなら、なおさらマンション売却を検討したほうがよさそうです。

中古マンションの所有期間と税制から考察する

個人がマンションを売却して利益を得たら(譲渡所得が発生したら)、確定申告をして税金(所得税+住民税)を納めることになります。

譲渡所得の税率は、マンションを所有していた期間によって異なります。

所有期間による税率の違いは以下のとおりです。

5年以下:所得税30.63%(復興特別所得税も加算)+住民税9%=39.63%

5年超:所得税15.315%(復興特別所得税も加算)+住民税5%=20.315%

所有期間が10年を超え、軽減税率の特例という制度が適用可能だと、以下のように税率が軽減されます。

譲渡所得が6000万円までの部分

所得税10.21%(復興特別所得税も加算)+住民税4%=14.21%

譲渡所得が6000万円を超える部分

所得税15.315%(復興特別所得税も加算)+住民税5%=20.315%

所有期間は5年以下より5年超、5年超より10年超のほうが税制面では得になります。

気を付けておきたいのは、所有期間のカウント方法に特徴があることです。

不動産を売却した年の1月1日時点で、5年を経過しているかどうかで所有期間が確定するのです。

2014年6月1日に購入にして2019年6月1日に売却すると、ちょうど5年のように感じますが、所有期間としてカウントされるのは2019年1月1日までなので、4年7ヵ月として扱われます。

多額の譲渡所得が発生しそうなら、所有期間も注目しておきましょう。

とはいえ、3000万円までの譲渡所得に関しては税金を控除できる特例があるので、そもそも譲渡所得税が発生する可能性は低いです。所有期間を気にせず、売却しても問題はないでしょう。

景気動向や経済情勢から考察する

ローソク足チャート

景気動向や経済情勢も、マンションの売却に影響を及ぼします。

マンションの売却に影響を及ぼす主な要因は以下の通りです。

  • 消費税増税
  • 住宅ローン金利
  • オリンピック
  • 生産緑地
  • 少子高齢化
  • 人口減少

それぞれの要因について見ていきましょう。

消費税増税

2019年10月に消費税が10%に増税されました。しかし、中古マンション売買への影響はほとんどないと考えられます。個人がマンションを売買する際の代金には通常、消費税は課税されないからです。

しかし、不動産会社に仲介を依頼すると発生する仲介手数料や、司法書士に登記手続きを依頼する報酬費用などには、消費税が発生します。たとえば、消費税抜きの仲介手数料が100万円と仮定すると、2万円の差が出てきます。

なお、新築マンションの購入代金には消費税が課税されるので、消費税の増税によって価格は上昇します。

住宅ローン金利

住宅ローン金利が高い時は返済総額が大きくなるため、買主の購買意欲は落ちがちです。

しかし、現在のように低金利の状況では「今後金利が上がってしまうかもしれない」という心理状況になりやすく、買主の購買意欲が高くなるでしょう。

つまり、低金利のうちに売り出すのがポイントともいえます。

オリンピックなどの大規模イベントや再開発

オリンピックなどの大規模イベントや再開発があると、周辺のマンション価格が上昇しやすくなります。

ただ、オリンピックなどの大規模イベントの場合、開催後には需要が低下し、不動産価格が大きく下がることもあるので注意してください。

マンションの売却を検討している人は、周辺地域で大規模なイベントや再開発の予定があるかもチェックして、売却のタイミングを考えるといいでしょう。

生産緑地

都市部の環境保全などを目的として作られた生産緑地法という法律があり、その法律で指定された農地・採草牧草地・森林・漁業用沼地などを生産緑地といいます。

生産緑地に指定された土地は30年の間、農業しかできない代わりに、固定資産税の優遇措置を受けられます。

生産緑地は都市部を中心に全国各地にあり、その面積は2014年に国土交通省が発表した都市計画現況調査によると、東京ドーム約2920個分の面積になるとのこと。

2022年になると、生産緑地の約8割が30年の期限を迎えます。生産緑地でなくなると、固定資産税が30~80倍になるため、その場所で農業を続けても利益がでないのです。

そのため、2022年には生産緑地が住宅用地として大量に放出されることが予想されており、新築マンションも大幅に増え、中古マンションの価格低下が懸念されています。

2022年になったらいきなり新築マンションが乱立するわけではありませんが、2022年までに中古マンションの売却計画を立てておいたほうが無難でしょう。

少子高齢化と人口減少

少子高齢化がこのまま続くと、1世帯あたりの人数が減少します。そのため、部屋数の少ないコンパクトなマンションの需要は増えるものの、広くて部屋数の多いマンションの需要の低下が予想されます。

また、人口に対する住宅供給が飽和状態にあるため、少子高齢化が進んで人口減少が深刻化すると、ますます需要がなくなっていくという見方があります。

需要が低下するということは、中古マンションの価格が低下するほか、買主が少なくなることで、売りたいと思っても迅速に売買を成立させることが難しくなってくる可能性もあります。

まとめ

マンションの売却時期をじっくり考えられる状況であれば、新年度が始まる前の2~3月に売却できるよう準備すると、スムーズに売却できる可能性が上がりそうです。これは、進学や転勤の起こりがちな4月に向けて引っ越したいと考えている人が多い傾向にあり、そのことがデータからもうかがえるからです。

売却条件などにこだわって時間をかけているうちに、人口が減少し、マンションの築年数もだんだん古くなり、もし東京オリンピックや生産緑地といった問題が現実化してしまったら、今以上に売りづらくなる可能性もあるでしょう。

ただ、そういった問題を認識しておくことは大切ですが、焦ってマンションを売ってしまうと結局安売りすることになりがちなので、オススメはできません。

マンションを売りたい理由・目的をはっきりさせ、目的を達成するためにはいつまでにいくらで売れたらいいのかなど、きちんと計画を練って動くほうが、後悔のない売却ができるはずです。

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